通夜と告別式のマナー

■ お通夜と葬儀・告別式
お通夜とは、葬儀より前に遺族が故人の魂と静かに寄り添いお別れするために過ごす夜をさします。葬儀は葬式と同じ意味で使われ死者を葬るための儀式をさし、例えば仏教では僧侶による読経や弔辞の後、焼香などが行われます。葬儀に続いて行われるのが告別式で一般会葬者の焼香のあと喪主の挨拶となります。通夜と葬儀・告別式について解説します。
………このページの内容………
▼1. お通夜と葬儀・告別式の違い
▼2. お通夜と葬儀告別式 Q&A
・お通夜と葬儀告別式は両方参列する?
・お通夜と葬儀告別式の両方参列する時の受付の仕方、香典の出し方は?
・お通夜の日取り、葬儀・告別式の日取りの決め方は?
・弔電はいつ送る?
▼3. お通夜の流れ、葬儀・告別式の流れ
▼4. 香典

 1.お通夜と葬儀・告別式の違い

お通夜と、葬儀・告別式の違いについて説明します。

通夜と葬儀・告別式の違い
▼日取り ・ 日程
  お通夜

●基本的には、通夜は亡くなった日もしくは翌日に行う。

●葬儀が友引にあたる場合には葬儀をずらす
葬儀をずらす場合には、一日目を仮通夜、二日目を本通夜とすることも。

※詳細は2.のQ3

、日取りの決め方へ>>>

葬儀
●基本的には通夜の翌日が葬儀の日

●葬儀が友引にあたる場合には一日ずらして翌日に行われる
告別式
●基本的には葬儀(左記)と同じ日に行う。

●葬儀を密葬で行った場合には、告別式の代わりに「お別れ会」といった形のものを日を改めて行うこともある。
その他
還骨勤行(=かんこつごんぎょう)ご遺体を火葬した後の法要も葬儀同日に行う。

初七日の法要も繰り上げて葬儀と同日に行うことも。
通夜と葬儀・告別式の違い つづき
▼儀式の意味
  お通夜
●もともとは、故人を葬る前に近親者が身内だけで死者と最後の別れをするために過ごす夜をさします。
「通夜」という言葉には一晩中、終夜という意味があり、夜通 し線香を絶やさずに灯す風習がありました。
葬儀
●葬儀は故人を葬る前に行う弔いの儀式をさします。例えば仏教なら僧侶による読経のあと、弔辞奉読などが行われます。

●葬式と葬儀という言葉は同義で使われます。
告別式
●葬儀に引き続いて行われる告別式は一般会葬者が故人と別れを告げる儀式です。

● 葬儀と告別式は一体化したひとつの儀式として行われるケースが大半となっています。葬儀の後で一旦僧侶が退場し、再び入場する形をとることもあります。
その他
●最近増えてきた家族葬は、故人の遺族とごく親しかった人だけで行う葬儀の形です。

 2.お通夜と葬儀告別式 Q&A

通夜や葬儀告別式といった儀式も時代とともに少しずつ変化してきています。ここではお通夜と葬儀告別式に関してもう一度確認したい知識とマナーをご紹介します。

Q1.お通夜と葬儀告別式は両方参列するの?
A1.故人とのおつきあいが深かった人と親族は両方に参列。それ以外はどちらか片方でも良い。
・訃報を受けた時の対応は、故人とのおつきあいの深さによって変わって来ます。
・近親者や故人と特に親しかった人は訃報を受けたらお通夜の前に、とにかくすぐに駆けつけます。
・その他の人は、準備が整ってから弔問をする方が良いでしょう。下記をご参照下さい。
故人との関係と、お通夜への参列
近親者、
故人と特に親しかった人
故人と親交があった人、
三親等以外の親族
会社・職場関係の代表者、
一般弔問者
故人の職場同僚、喪主の知人友人、喪家の知人友人など
・訃報を受けたら、通夜の前に一旦弔問に駆けつけます。

・通夜と葬儀の両方に参列します。
・訃報を受けたら、通夜と葬儀の両方に参列します。
・訃報を受けたら、通夜と葬儀のいずれかに参列します。

・参列できない場合には、職場の代表者名で弔電を打ったり香典や供花やお供物を送ることもあります。
・さほど故人と親しくない場合には、お悔やみの手紙を送る、お香典やお花を送るなど。
お香典やお花やお供物を連名で贈ることもあります。

※供花のページ>>
Q2.お通夜と葬儀告別式の両方参列する時の受付の仕方、香典の出し方は?
A2.通夜と葬儀告別式の両方に参列する場合、香典は通夜または葬儀のいずれかに持参すれば良い。
   芳名帳は通夜の時にも葬儀の時も両方とも記帳する。
・通夜と葬儀の両方に参列する場合、香典は通夜または葬儀のいずれかに持参すれば良いとされています。しかし通夜・葬儀のどちらに香典を持参するのかについては明確な決まりはなく、地域によって異なるというのが実状のようです。
 地域の風習についてどうしても迷う場合には周囲の人と相談することをおすすめしますが、要はどちらに持参するのも正しいマナーなので「堂々と、自信を持ってふるまう」ことです。

・実際に通夜と葬儀の虜方に参列する場合、受付の芳名帳では通夜でも葬儀でも会葬者名簿に記帳をします。会葬者名簿・芳名帳は香典拝受のリストではなく参列して頂いた方のリストなのです。
 もし通夜に香典を持参したのちに、葬儀に手ぶらで参列する場合には、葬儀の受付では受付係の人に「お香典はお通夜の際にお渡ししました」と一言伝えて下さい。また逆に、通夜には香典を持参せず、葬儀の時に香典を持参する心づもりという場合には、通夜の受付で「お香典はご葬儀の際に改めて持参いたします」と受付係に伝えて下さい。

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Q3.お通夜の日取り、葬儀・告別式の日取りの決め方は?
A3.まず葬儀の日を中心に考えて、お通夜の日を決めます。お通夜は友引きでも行いますが、葬儀は友引きには行いません。
・基本的には亡くなった日または翌日が通夜となります。通夜の翌日に葬儀告別式を行うのが一般 的な流れです。しかし、葬儀の日が友引きにあたる場合には通夜をずらして、葬儀が友引きの日にならないようにします。
友引の葬儀は「友を引く」から縁起が悪いという俗説がありますが、現実的な理由として友引の日は火葬場が休みのため 葬儀・告別式は友引には行いません。しかし通夜は友引でも行います。

・通夜は友引・仏滅などの六曜・六輝にはこだわりませんが、亡くなった日から数えて葬儀の日が友引にあたってしまうような場合には、通夜をずらして、一日目を仮通夜、二日目を本通夜とする場合もあります。こうした場合には仮通夜は近親者のみで執り行われます。
なお、友引以外の日程では、元旦だけは葬儀を避けるそうです。
Q4.弔電はいつ送る?
A4.葬儀の儀式の中で弔電を披露します。できれば前日までに届くのが望ましい。
・お悔やみ電報・弔電はできれば葬儀の前日までに届くのが望ましいのですが、おうしても間に合わない場合には遅くとも葬儀の始まる1時間前までには届くようにします。

【補足】
・故人の勤務先や喪主の勤務先などから弔電を送ることがあります。通夜や葬儀に参列できない人が弔電を送ることもあります。

・送り先は葬儀の行われる式場(斎場)あてとなります。自宅葬の場合には自宅あてに送ります。宛先は喪主の名前となります。喪主の氏名がわからない時には故人のフルネームを書き「佐藤太郎様 ご遺族様」など。斎場の場合には斎場名に並べて喪主名を書きます。

 3.お通夜の流れ、葬儀・告別式の流れ

お通夜の流れ、葬儀・告別式の流れにはおよその決まりがあります。下記は仏式の通夜葬儀における一般的な進行の例です。
だいたいの流れを頭に入れておくと、初めてのお通夜でも落ち着いて行動ができると思います。
喪家では司会進行役を特に決めなくても、葬儀社の人がリードしてくれます。

お通夜の流れ
親族・参列者着席 受付は30分前に開始します。
参列者と遺族は着席して僧侶の入場を待ちます。
通夜開式 18〜19時頃に開式となります。
僧侶入場 通夜の儀式の所要時間は約1時間程度です
僧侶による読経
親族・参列者焼香
僧侶退場
通夜お開き 19〜20時頃にお開きとなります。
 
会食 お斎・ 通夜ぶるまい 会食(お斎・通夜ぶるまい)の所要時間は約2時間程度です
会食 お斎・ 通夜ぶるまいお開き 21〜22時頃に通夜ぶるまいもお開きとなります。
(※1) ※1.半通夜の場合はこれでお開き。普通のお通夜は一晩中故人に付き添い、線香を絶やさないようにします。

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葬儀・告別式の流れ
親族・参列者着席  受付は30分前に開始します。
 参列者と遺族は着席して僧侶の入場を待ちます。
葬儀開式  
僧侶入場  葬儀の所要時間は約1時間です。

 
※2. 僧侶は退場せずそのまま告別式へと移行することもあります。
僧侶による読経
弔辞
弔電披露
遺族・親族焼香
(僧侶退場※2)
葬儀に続き告別式へ  
(僧侶再入場※2)  告別式の所要時間は約30分程度です。
遺族・親族焼香
僧侶退場
遺族挨拶
告別式開式  
 
出棺
(※3) ※3.初七日の法要を同日に行う場合には火葬場から戻ってから行います。

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 4.お通夜と葬儀の香典

・香典は通夜または葬儀のいずれかに持参します。

・香典袋の書き方は宗教によって異なります。必ず喪家(喪主)の宗教にあった表書きの香典を持参します。

A.仏教の場合の通夜・葬儀の香典の書き方
[香典の表書き]
・仏教の場合の熨斗の表書きは「御霊前」「御香料」などです。表書きが印刷されているものを使っても失礼にはあたりません。
中でも最も一般的なのは「御霊前」で、この表書きは通夜・葬儀だけでなく四十九日(忌明け)より前の法要でも用いられます。

[墨]
・薄墨を用います。薄墨は悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。

[名前]
・会葬者の氏名をフルネームで書きます。
・社員本人、社員の家族、あるいは取引先の社員にご不幸があった場合、会社が代表者名で香典を出すことがあります。

[のし袋の選び方と水引き]
・黒白または双銀の水引き
・結び切りまたはあわじ結び(あわび結びとは、左の見本画像のように、結び切りよりも結び目が豪華でアワビのような形になったもの。あわび結びとも言います)
・蓮(はす)の花の絵がついているものは、仏教専用です。

※詳細と書き方見本は香典袋の書き方のページへ>>>
D.神道(神式)の場合の通夜・葬儀の香典の書き方
[香典の表書き]
・神式(神道)の場合の熨斗の表書きは
「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」などです。
「御霊前」という表書きは宗教を問わずに使えるとされていますが、蓮の絵が付いているものだけは、仏教専用の熨斗袋なので、神式の葬儀には用いないように注意してください。

[のし袋の選び方と水引き]
・不祝儀用の熨斗袋。
・もし水引きのあるものを使う場合には黒白または双銀の水引き
・結び切りまたはあわじ結び(あわび結びとも言います)のもの。
・蓮(はす)の花の絵がついているものは、仏教専用ですので使えません。

[墨]
・薄墨を用います。薄墨は悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。

[名前]
・会葬者の氏名をフルネームで書きます。

※詳細と書き方見本は香典袋の書き方のページへ>>>

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C.キリスト教の場合の通夜・葬儀の香典の書き方
[香典の表書き]
・キリスト教の場合の熨斗の表書きは
「御花料」(プロテスタント)
「 御ミサ料」(カトリック)などです。
「御霊前」という表書きは宗教を問わずに使えるとされていますが、蓮の絵が付いているものだけは、仏教専用の熨斗袋なので、キリスト教式の葬儀には用いないように注意してください。

[のし袋の選び方と水引き]
・十字架の絵が付いたものまたはまたは白い封筒もしくは不祝儀用の熨斗袋。
・もし水引きのあるものを使う場合には黒白または双銀の水引き
・結び切りまたはあわじ結び(あわび結びとも言います)のもの。
・蓮(はす)の花の絵がついているものは、仏教専用ですので使えません。

[墨]
・薄墨を用います。悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。

[名前]
・会葬者の氏名をフルネームで書きます。

※詳細と書き方見本は香典袋の書き方のページへ>>>
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