香典の渡し方(後日)

香典の渡し方(後日)のページ。通夜や葬儀・告別式に出席できなかったり、訃報を後で知った場合は、親しい間柄であれば後日香典を持参して遺族に手渡したり、お悔やみ状を添えて郵送したりします。
香典を後日渡す際のマナーと注意点、言葉や挨拶、袱紗の使い方について、故人や遺族の知人・友人、職場・会社や、上司の代理、親族などのケース別に香典の渡し方を解説します。
………このページの内容………
▼1. 香典を後日渡すケースとは
▼2. もし香典を 後日 持参するなら?マナーと挨拶の言葉
・いつ頃持参する?
・挨拶の言葉は?
・渡し方は?・服装は?
・会社・職場の上司の代理の場合は?
▼3. もし香典を後日送る・郵送するなら?
[関連ページ]
・通夜、葬儀・告別式の香典(書き方)>>>
・香典の相場>>>
・香典の渡し方(通夜、葬儀・告別式)>>>
・香典の渡し方(法事・法要)>>>
・香典の入れ方、包み方>>>
・香典の入れ方(中袋がない時ほか)>>>
・中袋なしの香典の書き方と裏面>>>

 1. 香典を後日渡すケースとは

通夜や葬儀・告別式が過ぎてから香典を渡すケースには以下のようなものがあります。

香典を後日渡すケース(もしくは送るケース)
通夜、葬儀・告別式に出席できない ・遠方にいる、病気、妊娠、出張中、業務上の理由などで出席できない。
通夜、葬儀・告別式が済んだ後で訃報を知った ・密葬、家族葬、身内だけの葬儀だったなどの理由で、亡くなったことを後で知った。

・参列した人から聞いて訃報を知った。
法要に出席できない ・法要の案内状、法要の案内を頂いたのに出席できなかった
(法要の案内を送る相手は、年忌法要を重ねるごとに遺族や親族だけになっていきます。)

 2. もし香典を後日持参するなら?マナーと挨拶の言葉

香典を持参する場合と、郵送する場合とに分けて解説します。
以下は持参する場合について述べます。郵送する・送る場合はこちら>>>

香典を後日持参する場合のマナーと挨拶の言葉
・いつ頃持参する?
・遺族が落ち着いてからの方が望ましいでしょう。通夜、葬儀・葬式が終わって一段落したという意味で、一週間目くらいがひとつの目安となります。
 ただし、自宅に伺うならあまり日数が経過していないほうが良いでしょう。もし一ヶ月が経過しそうなら、四十九日の法要に合わせることも検討してみてください。
・訪問にあたり気をつけることは?

・できるだけ事前に遺族の都合を聞いてから訪問します。 突然の来訪では遺族も戸惑ったり迷惑に感じることもあります。遺族によってはできれば土日にお越しくださいと指定されることもありますし、そっとしておいてほしいと断られることもあります。

・訪問する時間は早朝や深夜および食事の時間を避けましょう。

・もしご焼香をさせていただく場合には数珠を持参します。

[訪問を打診する際の言葉]
電話をするときには葬儀の翌々日以降が良いでしょう。
 「このたびはご愁傷さまでした。故人の友人だった◯◯と申します。〇〇さんには大変お世話になりました。ご葬儀の際は伺うことができず大変失礼いたしました。よろしければご焼香に伺いたいのですが、よろしいでしょうか」
 「このたびは残念なことでした。会社で故人と同期入社だった◯◯と申します。〇〇さんには大変お世話になりながら、ご葬儀の際は伺うことができず大変失礼いたしました。よろしければご焼香に伺いたいのですが、よろしいでしょうか」など。

[訪問を断られたら]
・身内だけで葬儀を済ませたという場合には、そっとしておいてほしいという気持ちがこめられていることもあります。訪問を断られた場合には強引に押し切るのはNGです。訪問をあきらめ、お悔やみ状を添えて香典を郵送したり(送る>>>)、
「では四十九日の法要をされる際にご焼香に伺ってもよろしいですか?」と機会を改めて訪問する形で尋ねて見ましょう。ただし、遺族が香典を辞退されている場合にはこれらも遠慮したほうがベターです。
・どうしても故人のために何かしたいという場合にはお花を送るのもおすすめです。遺族がお返しを気にしなくても済むように「まことに恐縮ながら、お返しなどのご配慮は無用でございます。どうぞ御霊前にお供えください」などのメッセージを添えるのも良いでしょう。

[ワンポイント]
故人と特に親しかったり、遺族と親交があった場合には、香典以外に故人が好きだったお酒やお菓子、あるいは故人が好きだったお花などを訪問の際に持参することもあります。

仏壇や祭壇など霊前にお供えする場合にはのし紙をつけます。表書きは「御供」です。手土産を持参する場合もあります。

香典を後日持参する場合のマナーと挨拶の言葉(つづき)
・挨拶の言葉は?

[ご焼香をさせていただく場合]
「◯◯さんのこと、本当に残念でした。心からお悔やみ申し上げます。会社で同期入社だった◯◯と申します。〇〇さんには大変お世話になりながら、ご葬儀の際は伺うことができず本当に失礼いたしました。よろしければご焼香をさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」→(ご焼香させていただく)

「ご愁傷さまでした。故人の友人だった◯◯と申します。〇〇さんには野球部で大変お世話になりました。ご葬儀の際は伺うことができず大変失礼いたしました。」
よろしければご焼香をさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか」


[玄関先で失礼する場合]
「本日はこのようにおしかけてしまい申し訳ありません。◯◯さんのこと、ご愁傷さまでした。友人の◯◯と申します。〇〇さんには大変お世話になりながら、ご葬儀の際は伺うことができず大変失礼いたしました。本日は御霊前にお供えしていただきたく心ばかりのものを持参いたしました。どうぞお供えください」→(香典を渡す)
 

・香典の渡し方は?

[焼香をさせて頂く場合]
持参した香典やお供物は仏壇にお供えさせていただく場合と、ご焼香を終えてから遺族にお渡しする場合があります。地方によっても宗派によっても異なるため、遺族にご消耗の直前に「心ばかりのものを持参したのですが、ご仏壇にお供えしてもよろしいでしょうか」と確認します。ただし置くスペースがない場合には、ご焼香のあとで遺族に渡します。
全体の流れは以下の通り
[①玄関先で挨拶をする]
[②座敷など、仏壇のある部屋に通される]
[③焼香をする]
[④故人の思い出話をする]
[⑤挨拶をして辞去する]

持参した香典は、
A…③の焼香をする際に仏壇にお供えさせていただくか、
B…③焼香をしたあとで遺族にお渡しします。
通常はAが多いようです。②③の流れは以下のとおり。

▼②仏間に通されたら
遺族に一礼したのち、「本日はお忙しいところお時間を頂戴して申し訳ございません。心ばかりのもの持参したのですが、ご焼香の折りにご仏壇にお供えしてもよろしいでしょうか」などとお尋ねします。

▼③ご焼香(お線香をあげる)

・遺族に一礼したのち、お仏壇の前の座布団に座る前に一度手前で正座して座布団を右にずらしてはずし仏壇に一礼します。お仏壇の前に座り、まずは遺影としっかり向き合ったのち、★持参した香典(およびもしあればお供物)をお仏壇にお供えします>>
数珠を左手にかけ、線香を右手で持ちます。線香は仏壇のろうそくから火をつけ焼香し(ろうそくがない場合には遺族に尋ねる等、遺族の指示に従います)、静かに両手を合わせ、目を閉じて故人の冥福を祈ります。目をあけ、もう一度遺影としっかりとむきあってから仏壇に一礼します。
最後に遺族の方に向きを変え、遺族に一礼します。

※参考…香典の渡し方 袱紗(ふくさ)の使い方」>>>

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香典を後日持参する場合のマナーと挨拶の言葉(つづき)
・香典の渡し方は?(つづき)

★A…香典や供物を仏壇にお供えする場合
・仏壇の前で香典を袱紗から出して、両手で仏壇に置きます。
・仏壇にお供えするときの香典やお供物の向き(のし袋やのし紙の向き)は、仏壇にお参りしている人が見て文字が読める向きで仏壇にお供えします。逆さまに置かないように注意してください。(ただし仏壇のお膳などは仏壇から見て仏様が食べやすい向きにするため、お参りする人から見ると逆向きとなります)

★B…焼香の後で遺族にお渡しする場合
・仏壇の前で焼香を終えたあと、遺族に一礼し、袱紗から香典を出して、遺族から見て正面になるように向きを変え「心ばかりのものをお持ちしましたので、どうぞお供えください。」とお渡しします。お供物もこの時にお渡しします。

※参考…香典の渡し方 袱紗(ふくさ)の使い方」>>>

・服装は?

・何を着るのか心配な場合には喪服(略礼服)を着用して弔問すれば失礼にはあたりません。葬儀から一週間以上過ぎている場合は喪服で訪問する必要はありませんが、派手な服装は避け、男性は黒、グレー、紺色などを中心としたスーツ、女性も黒、グレー、紺色が主体のワンピースやスーツ、あるいは地味な服装にします。靴もサンダル履きやクロックス、ミュールなどは避けましょう。

・会社・職場の上司の代理の場合は?

※ 上司の代理で弔問する場合には、上司の名刺を預かって行きます。

★準備
上司の名刺の右上に「弔」と書き、縦書きの名刺の場合は左端、横書きの場合は下端に「上司の代わりに弔問させていただきました。佐藤太朗」と、弔問に訪れた部下の氏名を書いたものと、 代理で改装する本人の名刺には右上に「代」と書いたものを用意しておきます。

▼玄関先で挨拶をする
「このたびはご愁傷様でございます。サンプル物産仙台支店の者でございます。上司の代理でまいりました。」 などと述べて一礼します。
このとき、上司の名刺の右上に「弔」と書き、縦書きの名刺の場合は左端、横書きの場合は下端に「上司の代わりに弔問させていただきました。佐藤太朗」と、弔問に訪れた部下の氏名を書いたものと、自分の名刺の右上に「代」と書いたもの(★訪問前に準備しておきましょう)を2枚重ねて、遺族に渡します。 このとき、代理で参列する部下自身の名刺は下になるように重ねて渡します。
このあと、ご焼香の許可を得てご焼香→香典をお渡しする または
玄関先で香典をお渡しして辞去する のいずれかになります。
 
※部署名で香典を出す場合、代表者のみが弔問するのであれば、できれば代表者の名刺の右上に「弔」と書き、縦書きの名刺の場合は左端、横書きの場合は下端に「◯◯部を代表して弔問させて頂きました」と書いて遺族に渡すと丁寧ですし、遺族も香典返しなどの手配の際に宛先がわかりやすくなります。連名で出す場合名前の書き方や注意点は、こちらへ[通夜・葬儀の香典

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 3. もし香典を後日送るなら?(郵送するなら)

遠方に住んでいるなどの場合、通夜や葬儀の当日には弔電を打つなどして、香典を送ることもあります。また、訃報をあとになって知った場合にも香典を送ることがあります。

香典の送り方
香典は、現金をのし袋に入れ現金書留専用の封筒に香典袋ごと入れ、お悔やみの手紙を添えて郵送します。
香典袋

・まずは、現金を香典袋に入れます。この時使うのし袋は、水引きの部分も印刷されているようなフラットなタイプ(平たんなのし袋)の方が使いやすいです。もし香典を郵送せずに持参する場合には、のし袋は中身の金額にふさわしいものを使うのが本来のマナーですが、郵送する際には水引きが立派なタイプは現金書留用の封筒に入れにくいので注意して下さい。
フラットで厚みのないのし袋の方が一般的に「重量」「厚み」などの項目において郵送料金も安くなる可能性が高いというメリットもあります。

・ お札は新札は不可です。あまりシワシワのものや汚れたお札も失礼にあたりますので、もし新札しかない場合には、一度お札を二つ折りにし、開いてから入れます。また、2枚以上のお札を入れる時には、お金の向きを揃えて入れます。

※参考ページ 香典の入れ方>>>
お悔やみ状、香典袋を現金書留専用封筒に入れる
・お悔やみ状(おくやみの手紙)は、白い封筒に入れます。二重封筒は「不幸が重なる」として嫌われますので使わないようにします。
・お悔やみ状、香典袋の順に重ねて現金書留専用封筒に入れます。
袋の表側を揃えます。

・香典の送り方の詳細・お悔やみ状の例文・文例はこちら>>>
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