魚の食べ方

洋食・フレンチ・フランス料理マナー 魚の食べ方は?
魚はナイフとフォークを使い左端からひと口大に切って食べます。
魚料理には魚専用のフィッシュナイフあるいはフィッシュスプーンが用意されることがあります。フィッシュナイフは普通のナイフと同様に使い、フィッシュスプーンはソースが多い魚料理でナイフ兼ソースを愉しむスプーンとして使います。このページでは魚の食べ方を解説します。
………このページの内容………

1. 代表的な魚料理

 ・ポワレとは? 
 ・グリエとは? 
 ・ムニエルとは? 
2. 魚専用のカトラリー
 ・フィッシュナイフ、フィッシュスプーン
3. 魚の食べ方は?
 ・切り身の食べ方  
 ・骨付きのヒラメのムニエルの食べ方 
 ・一匹まるごとの食べ方(魚の部位と名称) 次のページへ 
4. ちょっと雑学(その他の知識) 次のページへ
 ・タルタルソースを入れる容器の名前は? 次のページへ
 ・レモンの搾り方は?(輪切り。くし形切り) 次のページへ
 ・パンをソースにつけても良い? 次のページへ
 ・最中柄とは?(読み方=「もなかえ」) 次のページへ

1.代表的な魚料理

フレンチのフルコースでは、魚料理のことをポワソンまたはポアソンと言います(poisson)。魚料理のメニューは名称に料理法が使われるため、まずは代表的な料理法と名称をご紹介します。

魚料理の代表的な料理法(メニュー)
ポワレ[フランス語]poêler
  (メニュー例:白身魚のポワレ)
ポワレとは、蒸し焼きのことをさします。深い鍋に、魚と少量のスープまたはフォン(旨味の詰まっただし汁スープ)などを入れて蓋をし、蒸し焼きにします。
深めのフライパン(蓋つき)を用いて調理することもあります。
 
グリエ[フランス語]grillé
  (メニュー例:イサキのグリエ)
グリエとは、網焼きのことをさします。専用の焼き網やオーブンなどで焼き目がつくように焼く調理法です。
 
ムニエル[フランス語]meunière
 

ヒラメのムニエル

(メニュー例:舌平目のムニエル)
ムニエルとは、塩胡椒をした魚に小麦粉をまぶし、バターまたは油をひいたフライパンで焼いたものです。小麦粉が膜となって魚の旨味が閉じ込められるとされています。
小さめの魚(200〜250g)に適していますが切り身でも使われる調理法です。小麦粉をまぶしてフライパンで焼くため、粉が肴の水分を吸収して熱せられ、デンプンの糊化膜ができます。このことにより焼いている間にも水分がはねることがなく、味や栄養分の損失が少ないだけでなく、肴は崩れずに焼きあがります。その上小麦粉が炒められて香ばしい香りを生じ魚臭味はなくなり美味となります。こうした調理法によりムニエルにした魚は適度に吸収した油脂味が加わり、焦げの風味が加わったものになるため淡白な魚の調理法として用いられます。
ソテー[フランス語]sauté
  (メニュー例:魚介のソテー)
ソテーとは、炒める、あるいは炒め焼きにする調理法です。
少量の油(またはバターなど)で炒め焼きにします。
 
魚介類に用いられる その他の調理法
  ピカタ(イタリア語)piccata
ピカタとは、材料に小麦粉をまぶして「卵とパルメザンチーズを溶き合わせたもの」を衣のようにつけて焼く調理法
 
  アクアパッツア(イタリア語)acqua pazza
アクアパッツアとは、魚介類をワインや水(およびトマト、オリーブオイルなど)を用いて煮る料理
 

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2.魚専用のカトラリーは?

魚料理では、普通のナイフ&フォークというカトラリーを使うこともありますが、魚専用のカトラリーが用意されることがあります。代表的なものをご紹介します。

洋食・フレンチ・フランス料理で使う 魚専用のカトラリーは?
フィッシュナイフ

フィッシュナイフフィッシュナイフとは?
肉と比べると身が柔らかくくずれやすい魚料理を切る時に使う専用ナイフです。

肉を切るときと同じように、左手にフォーク、右手にフィッシュナイフを持って使います。
見本画像のように、フィッシュナイフは先端がほんの少し尖った形状のデザインのものが多く、これは魚の皮や小骨をはずす時に使いやすく工夫されたものです。

ステンレス製のフィッシュナイフの場合には、魚にステンレスの匂いがつかないように、刃の部分が一枚厚く塗装がされているものもあるようです。
ちなみに筆者は学生時代の授業で「魚用のナイフはレモンの酸がかかるのでメッキが厚くなっている」と教えて頂きました。

同じ皿の上に付け合せの野菜などが乗っている場合には、このナイフで野菜も切って食べます。
 

フィッシュスプーン

フィッシュスプーン

フィッシュスプーンとは?
魚料理をソースと一緒に愉しむためのスプーンです。 スプーンは右手に、フィッシュスプーンは左手に持って使います。

身が柔らかくくずれやすい魚は、このフィッシュスプーンをナイフのように使って切ることができ、さらにこれをスプーンのように使って、ソースと一緒に魚料理を食べることができます。

左手のフォークで魚介料理を押さえ、右手のフィッシュスプーンで魚料理を左端から一口サイズに切ります。次に、スプーンで皿の上のソースを集め魚にソースを掛けるように絡めて食べます。この時、魚料理はフォークに刺して食べても構いませんが、基本的にはフィッシュスプーンに乗せてソースと一緒に食べます。フィッシュスプーンで食べる場合には右手のスプーンをナイフのように持つのではなくスープスプーンのように持って構いません。 
 
ソースをパンにつけて食べても良い?
フレンチ・フランス料理マナーでは、答えは「くだけた席ならOK。正式な席ではNG」です。
もしカジュアルな席でパンにソースをつけて愉しむ場合には、パンは大きすぎないよう一口サイズにちぎってソースにつけます。
 

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3.魚の食べ方は?

それでは洋食の魚の食べ方を解説します。大きく分けて切り身と、骨のある一匹の食べ方について紹介したいと思います。

切り身の魚の食べ方
左端からひと口大に切って食べる
左手にフォーク、右手にフィッシュナイフを持って、左端からひと口大に切って食べます。付け合せの野菜があれば同じようにひと口大に切って食べます。

ソースがある料理の場合には、フィッシュナイフの代わりにフィッシュスプーンが添えられることがあります。左手のフォークで魚介料理を押さえ、右手のフィッシュスプーンで魚料理を左端から一口サイズに切ります。次に、スプーンで皿の上のソースを集め魚にソースを掛けるように絡めて食べます。この時、魚料理はフォークに刺して食べても構いませんが、基本的にはフィッシュスプーンに乗せてソースと一緒に食べます。
ちなみに、フィッシュスプーンで魚を切る時には持ち方もナイフのような持ち方になりますが、ソースごと一緒にスプーンのようにして食べる場合には、右手はナイフのように人差し指を伸ばして持つのではなくスープスプーンの持ち方で持って構いません。

切り身に皮がついている場合は?
皮付きの魚の場合には以下の2とおりの食べ方があります。

① 皮を最初にはずす食べ方
①-1)皮が苦手な場合には、最初に皮をはずします。
フォークで身をおさえ、皮と身の境目のところにフィッシュナイフをあて、フィッシュナイフの先の尖った部分をそっと皮と身の間に差し込むようにして皮をはずし、簡単にたたむようにしてお皿の向こう端に置きます。皮をはずしたあとの身は左端から一口サイズに切って食べます。皮が苦手な場合には皮を残します。

①-2)サーモンのように皮が分厚くて切りにくい魚の場合にも、同様のやり方で最初に皮をはずし、身を一口ずつ切って食べます。皮が苦手な場合には皮を残しますが、皮もOKという場合には身を食べたのち、続いて皮だけを一口ずつ切って食べます。

② 皮も一緒に食べる食べ方
皮が薄い魚の場合には、皮を身と一緒に左端からひと口大に切って食べます。
 

タルタルソースのかけ方は?
魚介類に添えられることが多いタルタルソース。このページの下部(雑学コーナー)に紹介しているグレービーボート(グレービーポット)などに入れられて、食卓に供されることがありますね。
このタルタルソースは直接魚にかけるのではなく、メインの皿の上の、手前のほうに好みの量を取ります。魚は一口大に切って、ソースを付けながら食べます。

ちなみに、タルタルソースを直接魚にかけるのもマナー違反とまでは言えませんが、食べ終えた後、皿の上にソースの跡が広がってしまいますね。
フレンチでは食べ終えた後のお皿の上も美しいのがスマートな食べ方とされるため、タルタルソースは手前に取り、好みの量を魚につけて食べるのです。

ちなみに、サラリとした普通のソースは直接魚にかけても良いとされています。

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骨付きのヒラメのムニエルの食べ方
骨やヒレなどをあらかじめ切り離してから食べる

[まずは骨やヒレを取り除く]
例えば、舌平目(またはヒラメなど)は、ヒレの部分は調理前の処理段階で切り取られて調理され、テーブルに供されるケースが多いのですが、まれにヒレの部分がついた状態で料理されることもあります。
左手にフォーク、右手にフィッシュナイフを持って、まずは上下のヒレの部分をおとしていきます。はずしたヒレは皿の向こう側の端にまとめて置きます。
次に、中央の背骨に沿って横一文字にナイフを入れて身をはずします。
ここで骨をはずし、皿の奥に(ヒレと一緒に)置きます。
骨と身を分けたら左端からひと口大に切って食べます。下記にイラストで解説します。なお、付け合せの野菜があれば同じようにひと口大に切って食べます。

[ソースを愉しむ場合]
たっぷりのソースを愉しむ料理でも、骨付きの魚料理でフィッシュスプーンが単独で置かれていることはまずありません。骨をはずしやすいようにフィッシュナイフとフィッシュスプーンが両方添えられています。ソースがある「骨付きの魚料理」の場合には、まずは骨やヒレを取り外す作業をフィッシュナイフで行ってから、フィッシュスプーンを使って料理を食べます。
下記にイラストで解説するように骨やヒレをはずしたのち、左手のフォークで魚介料理を押さえ、右手のフィッシュスプーンで魚料理を左端から一口サイズに切ります。次に、スプーンで皿の上のソースを集め魚にソースを掛けるように絡めて食べます。この時、魚料理はフォークに刺して食べても構いませんが、基本的にはフィッシュスプーンに乗せてソースと一緒に食べます。フィッシュスプーンで食べる場合には右手のスプーンをナイフのように持つのではなくスープスプーンのように持って構いません。 

それでは、以下で詳しく解説しましょう。

骨付きのヒラメのムニエルは最初にヒレと骨をはずしてから食べます。
ナイフは魚用のフィッシュナイフを用います

ヒラメのムニエル食べ方01

(ここではわかりやすくするため付け合せの野菜を省略した画像で解説します。)

①テーブルに運ばれて来た時の状態です。
頭になる方が左に来るように盛り付けされています。

ヒラメのムニエル食べ方02

②まずは背びれを意識(場所をつかむ)します。
作業工程としては、左手のフォークで身と背びれの境目のあたりを押さえ、右手のナイフの先の部分を使って図の点線のラインに軽く切り込みを入れます。


この工程では力を入れて背ビレを切り取ってしまうのではなく、ムニエルになってわかりづらい状態の背びれの位置をしっかりと把握するのが目的です。

ただし調理法によっては切り離しやすくなっている場合もあります。ナイフで簡単に切り離しができる場合には切り離しても構いません。

ヒラメのムニエル食べ方03

③背びれをはずします。
次に左手のフォークで身をしっかり押さえ、右手のナイフの先の部分で背びれだけを矢印の方向に(皿の上方に向かって)引き抜くようにします。

はずした背びれは皿の奥の方に置きます(下記④参照)

ヒラメのムニエル食べ方04

④腹ビレを意識(場所をつかむ)します。
次に左手のフォークで腹ビレの境目のあたりを押さえ、右手のナイフの先の部分を使って図の点線のラインに軽く切り込みを入れます。

この工程では力を入れて腹ビレを切り取ってしまうのではなく、ムニエルになってわかりづらい状態の腹の位置をしっかりと把握するのが目的です。

ただし、調理法によっては切り離しやすくなっている場合もあります。ナイフで簡単に切り離しができる場合には切り離しても構いません。

ヒラメのムニエル食べ方05

⑤腹びれをはずします。
次に左手のフォークと右手のナイフの先の部分でヒレと身の境目の部分を引き剥がすようにしながら、左手のフォークで腹びれだけを矢印の方向に(皿の下方に向かって)引き抜くようにします。

はずした腹ビレも背ビレと同じように皿の奥の方に置きます

⑥につづく

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骨付きのヒラメのムニエルの食べ方 (つづき)
ナイフは魚用のフィッシュナイフを用います

ヒラメのムニエル食べ方06

⑥中骨をはずします。
最初に左手のフォークで身を押さえながら、中央の骨に沿ってフィッシュナイフで切り込みを入れます。

このとき、骨にナイフが当たる程度の深さまで切り込むのがコツで、骨に達する深さまででOKです。力を入れて骨を切る必要はありません。

ヒラメのムニエル食べ方07

⑦背身をはずします。
まず左手のフォークを骨の上に差し入れ(骨と身の間にすべらせるようにし)、次に右手のナイフの先端を差し入れて身を浮かせ、骨から上の身の部分を剥がすようにしながら、矢印の方向に(皿の上の方に向かって)背身をはずします。

骨はまだそのままにします。

ヒラメのムニエル食べ方08

⑧腹身をはずします。
左手のフォークで身を押さえながら、骨に沿って骨と身の間にすべらせるようにナイフを差し入れて身を浮かせ、骨から上の身の部分を剥がすようにしながら、矢印の方向に(皿の下の方に向かって)腹身をはずします。

ヒラメのムニエル食べ方09

⑨中骨をはずします。
中骨とは、脊椎骨(背骨)と背骨から伸びる骨が一体になったものです。
この工程では中骨をはずします。

上記の⑧の工程で中骨が表面に見えています。
ナイフとフォークを使って骨を下の背身、腹身からはがし、皿の奥の方におきます。
これで骨とヒレが全て取り除かれた状態になりました。

ヒラメのムニエル食べ方10

⑩はずしていた身をもとの位置に戻します。
上記の、⑦と⑧の工程で上と下においていた背身と腹身をもとの位置に戻します。

(もとの位置に戻さずに⑪に進んでもよいのですが、もとに戻したほうが皿の上の景色が美しくなります)
⑪左端からひと口大に切って食べます。

骨とヒレが全て取り除かれた状態になっています。フォークで押さえながら、左端からナイフで一口サイズに切って食べます。

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3. 魚の食べ方は?
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