初盆のマナー

■ 初盆とは・新盆とは

盆・お盆とは祖先の霊を供養する行事です。特に初盆・新盆とは忌明け後に初めて迎えるお盆のことをさし、僧侶を招いて法要を行います。
初盆・新盆には、近親者や親族だけでなく友人や知人も参列することがあり,

、遺族にとっては忌明け後に行う本格的な法要の一つです。
このページでは初盆・新盆について、迎え方、準備(提灯、飾り、お供え)および、香典やお布施、服装などの初盆・新盆のマナーについてご説明いたします。

………このページの内容………
▼1. 初盆・新盆とは
▼2. 初盆・新盆の飾り付け
 ・盆棚・精霊棚
▼3. 盆提灯
▼4. 初盆法要・新盆法要の準備と手配
・初盆のしかた、新盆のしかた(前日まで)
・初盆のしかた、新盆のしかた(当日から) 次のページ
・盆会(ぼんえ)・盂蘭盆(うらぼん)・盂蘭盆会(うらぼんえ) 次のページ
▼5. 初盆・新盆のお布施と香典 次のページ
▼6. お盆の服装 次のページ
▼7. 盆見舞い、新盆見舞い 次のページ
[関連する別ページ]
※ 初盆・新盆のマナー・作法・流れ2>>>
※ 初盆のお返し・浄土真宗の初盆>>>
※ 初盆のお布施・新盆のお布施>>>
※ 初盆の服装・新盆の服装>>>
※ 初盆・新盆 お供え2 >>
※ 初盆 家族だけでする場合>>
※ 家族だけの一周忌法要>>>

 1.初盆・新盆とは?

▼お盆の時期は7月15日頃または8月15日頃
 お盆とは祖先の霊を祀る(まつる)ために新暦または旧暦の7月15日頃に行われる行事で、仏教の盂蘭盆(うらぼん)・盂蘭盆会(うらぼんえ)が元になっています。
  旧暦の7月15日頃は新暦では8月15日前後にあたりますが、東京や横浜市の一部等では、新暦となった今でも7月15日頃にお盆の行事を行うため、新暦の7月15日頃にお盆を行う地域と8月15日頃にお盆を行う地域が混在しています。

▼初盆・新盆
 初盆・新盆とは忌明け後に初めて迎えるお盆のことをさします。喪の期間が明けたことを忌明けと言い、一般的には四十九日の法要を終えると忌明けとされます。
 お盆の時期にまだ忌明けが済んでいない場合には、初盆・新盆の法要は翌年に行われます。

 2.初盆・新盆の飾り付け

▼精霊棚とは(=しょうりょうだな)
 精霊棚とは、お盆の盂蘭盆・盂蘭盆会の儀式の際に、先祖の霊を迎えるために作る棚(お盆期間中に位牌を安置する棚)のことで、盆棚とも呼ばれます。その年に採れた作物などをお供えしたり、精霊馬を供えたりします。
 地域や宗派によって飾り方が異なりますが、浄土真宗では精霊棚は飾らないとされます。

▼精霊馬とは(=しょうりょううま)
  精霊馬とは、精霊棚に備える牛と馬のことで、あさがら・おがら(麻幹/苧殻)や割り箸などで胡瓜(キュウリ)に足をつけたものが馬、茄子(ナス)に足をつけたものが牛とされます。 祖先の霊に、来る時は馬に乗って一刻も早く来られるように、戻る時は牛に乗ってゆっくりお帰り下さいと言う願いを込めてしつらえます。

精霊棚・盆棚の飾り方 (迎え方)
※お盆の儀式は7月15日頃または8月15日頃に行ないます(地域によって異なります)
◆精霊棚の飾り付けの開始
8月13日(または8月12日)に飾ります
(ただし、7月にお盆を行う地域では7月12日または13日に)。
◆精霊棚をしつらえる場所
仏壇の前に精霊棚の飾り付けをする場所(スペース)を作ります。
 精霊棚が完成したら、位牌を仏壇から取り出し、精霊棚の中央に飾ります。
位牌を出している間は仏壇の扉は閉めておきます。
◆精霊棚のしつらえに用意するもの
[精霊棚の材料]…セットになったものが仏具店などで販売されています。

■支柱となる笹(2本または4本)※使わないこともあります。
 必要なら足の部分には太い竹を輪切りにしたものあるいは角材など。
 足を作る代わりに小机、経机などで代用することがあります。
■真菰(=まこも)敷物として用いる。ゴザのようなもの。幅40〜90センチ×長さ25〜60センチ程度、
■お供え物を乗せる小皿
■蓮の葉(またはそれに代わるもの)
■綱・縄(まこもの縄。支柱を結ぶもの。)

  ※精霊馬の材料はこの中に含まれていません。
  ※迎え火の材料はこの中に含まれていません。
◆精霊棚の作り方
◆棚をしつらえる。
正式なやり方の場合には、笹の支柱に真菰(まこも)の綱を張り、棚を作った上に真菰のござを敷いて作ります。
支柱を作って棚をしつらえるのは大変なので、イラストの左の図のように四本足の小机に支柱の笹竹を括り付けても良いと思います。この笹竹の4本の支柱に綱を張ります。四方に綱を張り、結界を作るとされています。
小机を使わない場合には、上記のように角材や竹などで足元を作ることもあります。
笹竹で二本の支柱だけを作る地域もあります。小机の後方の2本の足にそれぞれ少し背の高い笹をくくりつけそこに綱(つな)・縄をわたし、盆花を逆さにつるします。

◆盆花を飾る
四方に張り巡らせた綱・縄にさかさまに吊るす盆花の草花の種類は、地方によってさまざまです。ほおずき、栗の葉、ガマの穂、枝豆、里芋、粟(アワ)、桔梗、みそはぎなど。
綱に盆花をつるさずに、花立てに盆花を飾るだけの地域もあります。

◆いよいよ棚の上のかざりつけ
精霊棚の飾り方は地方や宗派によって異なります。一般的には中央に御位牌、その前に燭台、香炉、鈴などを飾ります。
具体的な例を以下に2例ほどご紹介します。

(1)小机の上に真菰(マコモ)の敷物、まこものござを敷きます。
 中央にご位牌を飾り、その前に仏茶器、仏飯器、高杯、さらにその前に燭台、香炉、鈴などをかざります。 最前列には旬の食べ物や供物をかざります。
 地域や宗派によっては、ご位牌の前に御供えするお膳「=御霊供膳」の献立も細かいしきたりがあるようです。
 盆提灯がある場合には、精霊棚の両脇に飾ります。
お盆・初盆の飾り
(2)このイラストはお膳が無い例です。
 マコモの敷物の上に中央奥にご位牌を飾り、その前にキュウリとナスの精霊馬を置いています。

 空いたスペースには、果実や野菜などのお供物をお供えする盃鉢を置いています。

 笹竹の上の方にはまこもの縄を四方に張り、ほおずきを吊るしていますが、花立てを起き、盆花を飾るだけの地域もあります。
 盆提灯がある場合には、精霊棚の両脇に飾ります。更に沢山の盆提灯がある場合には、仏壇の前にも飾ります。白提灯だけは初盆にのみ用います。軒先や玄関先などにかざります。

 なお、お供物の他に、13日にはお迎え団子、14〜15日には落着き団子、16日には送り団子などをお供えすることもあります。
 ※参考 「お迎え団子」「おちつき団子」「送り団子」>>>

(3)綱を後ろの二本にだけ張りわたす地域もあります。

※浄土真宗の場合
地域や宗派によって飾り方が異なりますが、浄土真宗では精霊棚は飾らないとされます。それぞれのご家庭で心のこもった供養をされることが一番良いのではないでしょうか。
参考ページ…初盆・新盆 お供え >>>

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 3.盆提灯

盆提灯は祖先の霊が提灯を目印にして戻って来られるように飾ると言われています。
お盆に使われる盆提灯には、白提灯と絵柄の入った提灯があります。

▼新盆・新盆には白提灯
 初盆・新盆用には白提灯をかざります。白提灯は近親者から贈られることが多いようです。親族がそれぞれ1つずつ贈ると白提灯ばかりが沢山になってしまいますので、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。白提灯は1つだけあればよいでしょう。軒先や玄関先などの、危険のない場所)に飾ります。
 お盆が終わったあとの白提灯は、送り火で燃やしたり、菩提寺に供養をしてもらったりします。事前に、お寺に「お盆のあとの白提灯はどうしたらよいのでしょうか?」と確認すると良いでしょう。

▼絵柄の入った盆提灯は毎年使う
 遺族が用意したり、親族が贈ったり(或いは、親族からの「提灯代」で用意したり)します。絵柄の入った盆提灯は、精霊棚の両脇に飾ります。更に沢山の盆提灯がある場合には、仏壇の前にも飾ります。毎年飾るので、お盆が過ぎたらきれいに掃除して保管します。

▼盆提灯を飾る時期
  基本的にはお盆の期間に合わせ、12日(または13日)から飾りますが、地域によっては月の初めから飾る地域もあります。16日(または17日)には片付けます。初盆・新盆のみに用いる白提灯は送り火と共に燃やすか菩提寺にて供養をしていただきます。

 4.初盆法要・新盆法要の準備

 初盆・新盆には故人が亡くなってから忌明け後に迎える初めてのお盆ということで、僧侶を招き法要を営むのが一般的です。翌年からはお盆は遺族(または親族)だけで故人や祖先を供養することが多いようです。

▼初盆の法要を営む場合には、お寺に早めに予約を
 初盆・新盆を迎えたお宅が多い場合には僧侶も数軒で読経をすることになります。初盆新盆の法要を営む際には、菩提寺に早めに予約を入れましょう。

▼通夜・葬儀葬式の参列者名簿を参考に案内状を出す
 二年目以降のお盆は遺族(または親族)のみで供養することが多いようですが、初盆・新盆は故人と親しかった友人・知人も招いて法要を行います。通夜・葬儀葬式の参列者名簿を参考にして案内状を出します。

▼盆会(ぼんえ)・盂蘭盆(うらぼん)・盂蘭盆会(うらぼんえ)
 盆会(ぼんえ)・盂蘭盆(うらぼん)・盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、お盆の期間に行う供養の行事をさします。
 精霊棚の準備をし、迎え火を焚いて故人や祖先の霊をお迎えします。初盆・新盆の法要を行い(二年目以降は遺族もしくは親族が供養をします)、送り火を焚いてお送りします。

初盆のしかた・新盆のしかた (迎え方)
※お盆の行事は一般的に7月15日頃または8月15日頃に行なわれます
項目と内容
1〜2ケ月前をめどに
お寺に予約を入れる
  お寺に「初盆」であることを告げて、法要の予約を入れます。
地域や宗派によっては「盆会墓前読経(ぼんえぼぜんどきょう)=お盆の時期に墓前で読経を行う儀式」を行うこともありますので確認しておきましょう。
法要のあとで会食を行う場合には僧侶の出欠を尋ねておきましょう。
お寺に「お盆のあとの白提灯はどうしたらよいのでしょうか?」と確認しておくと良いでしょう。
必要があれば葬儀社に準備を依頼する
  盛大な初盆法要を営む場合には、葬儀社などの専門店に祭壇のしつらえや飾り付けをはじめ、引き出物・盆返し、会食の手配等を依頼します
初盆・新盆の案内状を出す
  通夜・葬式葬儀の会葬者名簿を参考にして、案内状を出します。
法要のあとで会食を行う場合には会食の出欠も尋ねておきましょう。

※親族などの、ごく内輪だけで初盆の法要を行う場合には、電話で出欠を確認することもあります。

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初盆のしかた・新盆のしかた (迎え方) つづき
2週間〜1ケ月前をめどに
下記は準備を葬儀社等に依頼しなかった場合の例です
引き出物を用意する
  お供えや過分なお香典を頂いたへのお返しとお礼の意味で、親族や知人のために用意するもの。@5,000〜10,000円くらいがめやす。
後日郵送することもあります。
表f書きは「初盆志」「志」など。
盆返しを用意する
  盆返しとは、お返しとして、法要出席者に当日お持ち帰りいただくもの。盆返し、初盆返し。
表書きは「粗供養」など。
料理の手配
  初盆・新盆法要のあとで会食を行う場合には、案内状の返信をもとにして料理を手配します。料理でおもてなしをすることもお返しのうちのひとつとなります。
盆提灯の手配
  盆提灯は親族などから贈られるのが一般的ですが、故人と親しかった人が贈ることもあります。
提灯の数に決まりはありませんが、住宅事情などを考慮し、直接盆提灯を贈るよりも「御提灯代」として現金を遺族に渡し、必要な数を揃えてもらうと良いと思います。

初盆・新盆には白提灯を用意します(家紋入りなどの場合には早めに注文します)。絵柄のついた提灯は二年目以降も使うことができます。

※盆提灯について>>>
1週間前をめどに
和菓子の予約
  盆菓子の老舗には予約が必要な店もあります。和菓子などで、予約が必要なものがあれば盆菓子の予約をします。
前日までに
お布施の用意
  お布施とは、僧侶にお渡しする謝礼のことをさします。御経料とも言います。初盆法要の前に準備しておきます。

※初盆・新盆のお布施について>>>

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………このページの内容………
・初盆のしかた、新盆のしかた(当日から) 次のページ
・盆会(ぼんえ)・盂蘭盆(うらぼん)・盂蘭盆会(うらぼんえ) 次のページ
▼5. 初盆・新盆のお布施と香典 次のページ
▼6. お盆の服装 次のページ
▼7. 盆見舞い、新盆見舞い 次のページ
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