四十九日の法事・法要の案内

■ 四十九日の案内状、挨拶状とは
仏教では故人が亡くなってから四十九日までは「中陰」または「忌中」といい喪に服す期間でもあります。そして四十九日目にあたる日を「満中陰」「満忌」と呼び忌明けの日とされ法要が営まれます。この四十九日の法要では、親族・友人・知人たちも参列し、僧侶による読経のあと、焼香や会食が行なわれます。このページでは四十九日の法要を知らせる案内状の書き方と文例・例文をご紹介します。
 更に、四十九日の頃には、無事に忌明けを迎えたことを知らせる挨拶状に添えて、葬儀・通 夜に香典を頂いた相手に香典返しを送る時期でもあります。忌明けの挨拶状も合わせて簡単にご紹介します。
………このページの内容(カッコ)は別ページ………
▼1. 四十九日とは? 法事・法要とは? 前のページへ
▼2. 四十九日法要の案内(法事の案内状の書き方・例文・文例) 前のページへ
▼3. 四十九日法要の案内状(レイアウト例) 前のページへ
▼4. 四十九日法要の案内状
   (往復はがきを使う場合)(宛名の書き方)
▼5. 四十九日法要の準備(引き出物、お供え。お返し)
▼6. 四十九日の法要の挨拶(施主の挨拶の文例・例文)
▼7. 四十九日の頃に送る忌明けの挨拶状(お礼状)
関連ページ
※ 四十九日のマナー、お布施や香典の書き方、金額の相場>>>
※ 四十九日 香典袋 は別ページへ>>>
※ 四十九日 お供え は別ページへ>>>
※ 四十九日のお供え のし は別ページへ>>>
※ 四十九日のお供え花 種類・マナーは別ページへ>>>
※ 四十九日のお供え のお返し 別ページへ>>>
※ 四十九日 挨拶(喪主、参列者、献杯)は別ページへ>>>
※ 四十九日 挨拶状(忌明けの挨拶状)は別ページへ>>>
※ 四十九日 男性の服装 別ページへ>>>
※ 四十九日 女性の服装 別ページへ>>>

 4.四十九日法要案内状(往復はがきを使う場合)

 四十九日法要の案内を往復はがきで送る場合の例についてご説明いたします。文章に決まりはありませんが、目的(誰の何回忌の法要をするのか)、日程、場所、出欠についての返信の依頼などを記載します。
 往復はがきを使う場合のレイアウト例を画像でご紹介します。

四十九日法要の案内状のレイアウトの一例

※文中には句読点(「、」「。」)を用いません。
頭語と結語を必ずペアで使います。

上の例では、文頭に頭語の「拝啓」、文末に結語の「敬具」が来ています。この他に「謹啓」+「敬具」などが良く使われます。
季節を表わす言葉を入れます(季節を表わす言葉を時候の挨拶と言います)

上の例文の「新緑の候」という箇所が季節をあらわしており、五月頃に用いられます。案内状の書面 のスペース上、もし時候の挨拶を入れるのが難しい場合は省略可能です。
相手の安否を気づかう言葉を入れます。

上の文例では「皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか」という箇所です。

その他に良く用いられる文例:
「益々ご清祥のこととお慶び申し上げます」
「お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます」などがあります。
誰の何回忌の法要か につづく
誰の何回忌の法要なのかを知らせます。

上の文例では「満中陰の法要」という箇所です。他には「亡父是文の四十九日の法要」という書き方でも良いでしょう。もし、施主と故人の姓が異なる場合(名字が違う場合)にはフルネームを書きます。

文例:
「ささやかながら亡義父鈴木一夫の四十九日の法要を営みたいと存じます」など。
日程を知らせます。

法事を行う日付、曜日、開始時刻を知らせます。
場所を知らせます。

上の画像の例では、自宅にてとなっています。
本来は住所と電話番号を記載するべきなのですが、自宅の住所と電話番号は数行後に記載する施主の情報と重複するため、スペースの都合上、電話番号を省略しました。
お寺など、他の場所でで行う場合には場所を「◯◯寺」とし、住所と電話番号は必ず記載します(当日の連絡先を知らせるために、電話番号が必要です)。
ホテルなどで行う場合、部屋の名称がわかれば「西の間」などと具体的に記載します。
法要のあとで会食(お齋)がある場合は出席者に知らせます

会食の有無により、出席者におよその所要時間が伝わります。出席者も何時間くらいかかるかがわかれば時間の都合のつけかたが変わります。会食の予定がある場合には必ず知らせます。
施主の住所、氏名、連絡先を書きます

住所と電話番号は必ず記載します(当日の連絡先を知らせるために、電話番号が必要です)。
返信の依頼と、返信期限を書きます

その他に使える文例
「お手数ですが中央の折り目のところでお切り取りの上、ご出欠を◯月◯日までに返信にてお知らせ下さい。」
「お手数ですが中央にて切り取り、返信のみ◯月◯日までにポストにご投函下さい」など
返信のあて先を書きます
[宛名の書き方]
返信のあて先は、施主となります。住所のあと、中央に施主の氏名を書き、氏名に続けて「行」と書きます。

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四十九日法要の案内状のレイアウトの一例(つづき)
自由欄(連絡欄)

法事の案内状に記載する内容には決まりはないのですが、スペースがあいているので上記の画像では以下の内容を質問するために使ってみました。
[その1]
卒塔婆供養の希望の有無について質問しています。もちろんこの質問自体、なしでも構いません。
施主はあらかじめ卒塔婆供養に必要な費用をお寺に確認すると良いでしょう(お寺によって異なります。3,000円くらいから。)。
ハガキに必要な費用を記載するかどうか迷いましたが寄附を集めるような印象になるため、上記の文例には金額を載せませんでした。
※ 卒塔婆供養についてはこちらの別ページ[四十九日のマナー]へ

[その2]
連絡欄を作ってみました。この欄についても「必ず載せなくては成らない」というものではありません。
返信を依頼する言葉

この例では、表面の案内文に返信期限「◯月◯日までに返信してください」(参照)を入れましたので、裏面 では省略しても良いと思います。逆に裏面の文中でも改めてもう一度返信期限を入れてもよいでしょう。
先方の宛名を入れます。

あて先の書き方は以下のとおりです。

個人あて

御夫婦あて

本人と家族あて

◯◯◯◯様と書きます ご主人の氏名◯◯◯◯様の左側に「奥様の名前」、または「御奥様」「奥様」と書きます。 ご主人の氏名◯◯◯◯様の左側に「御家族様」と書きます。

会社あて(肩書きのある相手に)

先生あて

会社名や部署の左側に、一番上の位 置から「役職や肩書き」を書いて、◯◯◯◯様と続けます。
「◯◯◯◯部長様」はNG。「◯◯◯◯社長様」もNG。
先生という呼び方自体が敬称なので「◯◯◯◯先生様」は重複表現となりNG。◯◯◯◯先生と書きます。
但し、肩書きがある場合は「役職や肩書き」を書いてから◯◯◯◯様となります。例)「校長 山内一郎様」

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 5.四十九日法要の準備(引き出物、お供え。お返し)

四十九日には僧侶による読経のあと遺族や参列者による焼香がなされ、一連の儀式の後で、一同で食事をするのが一般的です。
四十九日の準備としては、まずは日程を決めて、僧侶に連絡をし、引き出物や食事の手配をします。
 
この項目では遺族側(施主側)が準備する内容についてご説明いたします。

施主が行う四十九日の準備
項目 準備の内容とポイント
◆手配の前に遺族で相談すること
日程を決める ・四十九日法要をいつどこで行なうのかを、遺族で相談して決めます。

・案内状を出す人を葬儀の際の受付名簿などを参考にしながら遺族で話し合って決めます。会場の場所を決めたり、案内状の送付の際に必要となります。

・納骨に関しては遅くとも三回忌までに行ないます。四十九日に行なわなくても良いのですが、一般的には忌明け(四十九日)に合わせて行なわれることが多いようです。

※なお詳細は「四十九日のマナー」法事法要のページで詳しく説明しています>>
場所を決める
会食をするかどうかを決める
招待する人を決める
納骨をするかどうかを決める
◆お寺に手配したり依頼したりすること
お寺への連絡と日程確認 日程が決まったらなるべく早くお寺に連絡をします。四十九日の法要を執り行いたいと告げ、日程と法要の場所も忘れずに伝えた上でお寺の都合を伺います。納骨を行なう場合には必ずその旨を連絡します。

法要の後で会食(お齋)を行う場合には和尚様のご都合をお聞きします

※なお詳細は「四十九日のマナー」法事法要のページで詳しく説明しています>>
お寺に会食への出欠を確認
◆施主が準備すること
料理の手配  または  レストランなどの予約
  ・四十九日法要の後で会食(お齋)を行う場合には、必要に応じて仕出し料理やレストランなどの予約をします。
案内状の準備と送付
  ・四十九日の法要を遺族や親族のみで行う場合には電話による連絡でも良いのですが、故人の知人、友人や会社関係者などにも知らせる場合には案内状を送ります。案内状を送る際には、食事や引出物の手配の都合もあるため、返信用はがき(または往復ハガキ)にて出欠を確認します。

・案内状の文例はこのページ上部へ
引き出物
  ・法要のあとでお渡しする引き出物の手配をします。
詳細は別ページ[四十九日のマナー.]で説明します。
お布施ほか
  ・四十九日法要のあとで僧侶にお渡しするお礼(お金)をお布施と言います。法要を寺でなく自宅で行う場合には、「お布施」の他に「お車代」を用意します。もし、法要のあとの会食に僧侶が出席しない場合にはこれらとは別に「御膳料」という形で現金を包みます。
※詳細は別ページ[四十九日のマナー.]で説明します。
お供え
  ・果物やお花などをご仏前にお供えする場合には手配をします。
卒塔婆
  ・四十九日に、故人の供養のためにお墓に卒塔婆をつけてもらう場合には、お寺に料金を確認してください。お寺によって、また地方によっても異なりますが、金額のめやすは3,000円くらいです。

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 6.四十九日法要の挨拶

四十九日法要で、施主がする挨拶について、例文とマナーをご紹介します。

四十九日法要の挨拶
法事・法要の挨拶の一般的な例をご紹介いたします。法要で施主となる際に、参考になさってください。
なお、法要全体の流れ(式次第)については「四十九日のマナー、法事法要」にて説明しています>>
項目  挨拶のマナー、文例など
1.四十九日の法要の開始を知らせる施主の挨拶
  ・最初に施主がごく簡単に挨拶をします。

[施主挨拶の例]
本日はお忙しい中をお集まり頂きましてありがとうございます。それではこれより◯◯◯◯(戒名)の四十九日の法要を始めさせて頂きます。
(僧侶の方を向いて) それではよろしくお願いします。
などです。

施主の挨拶で、 ◯◯◯◯の部分は戒名を告げるのが本来の作法なのですが、(個人的には)ご自宅で内輪の法要をされる場合、戒名ではなく故人の氏名の方が心にしっくりくるのであればそれでも良いのでは無いかと思います。もし心配でしたらお寺に確認してみてください。
2.僧侶による読経と焼香が終わり、四十九日法要は終了します。
  会食の案内をする際の施主の挨拶
  施主の挨拶のあと、会食(御斎)になります。施主が行う四十九日法要挨拶を、下記にて紹介しています。

[施主の挨拶の例]
本日はお忙しい中をお集り頂きましてありがとうございました。おかげさまで母の四十九日の法要も無事終えることができ、母も安心していることと思います。
これからも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
粗宴ではございますが、別室にてお膳をご用意いたしました。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりなさっていってください。本日はまことにありがとうございました。

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 7.四十九日の頃に送る忌明けの挨拶状(お礼状)

香典返しに添えるお礼状は、ちょうど忌明けの四十九日の頃に送るため「忌明けの挨拶状」「忌明けのお礼状」とも言われます。
このお礼状の書き方と文例をご紹介します。

※なお、香典返しについてはこちらで詳細に説明しています>>>

忌明けの挨拶状について
項目 内容
1.香典返しに添えるお礼状「忌明けの挨拶状」の書き方
  (1)印刷した書面を、会葬者に送ることもあります。文中に句読点「、」や「。」は用いません。

(2)冒頭に季節を表わす挨拶文を入れる必要はありません。拝啓などの頭語と、敬具などの結語は両方入れるか両方とも無しにします。

(3)故人の名前を必ず入れます。

(4)お礼を述べます。(4-1)(4-2)を必ず盛り込みます
(4-1)忙しい中を時間を割いて葬儀・告別式に参列して頂いたことへのお礼
(4-2)香典を頂いたことへのお礼

(5)お礼状はあくまでも略儀です。本来なら直接お目にかかってお礼を申し上げるべきところですが、書状によるご挨拶となってしまった旨を伝えます。

(6)差出人の名前を必ず入れます。
下記の2.3で紹介する文例では差出人が個人になっていますが、会社として送る場合には葬儀委員長の名前を先に書きます。

[会社が出すお礼状/社葬の場合の差出人欄の書き方(本来は縦書きです)]
郵便番号 住所◯◯◯◯◯◯◯◯  
株式会社 良真名商事  
葬儀委員長 代表取締役 良真名五郎  
喪主 穴田総一郎  
親族一同   
2.香典返しと一緒に送るお礼状(忌明けの挨拶状)の文例
 
普通は縦書きです。ページを作成する都合上、横書きにしています。
拝啓
先日の亡祖父 穴田一朗儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り且つご鄭重なるご厚志を賜り大変有難く存じております 葬儀の祭は取込み中にて万事に行き届かず申し訳ございませんでした
お陰様で4月29日に四十九日の法要を滞りなく相済ませることができました
つきましては亡祖父の供養のしるしとして心ばかりの品をお送りいたします 何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
茲に故人が生前に賜りましたご厚情に感謝申し上げますと共に 今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上お礼を申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具
 令和◯◯年◯◯月◯◯日
 郵便番号 住所◯◯◯◯◯◯◯◯  
喪主 穴田総一郎  
親族一同   
※鄭重(ていちょう=丁重)
※厚志(こうし)…深い思いやりのこもった親切。ここでは香典のことをさします
※茲に(ここに)
※拝眉(はいび)…お目にかかること。お会いすること。

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3.香典返しを寄付した場合のお礼状(忌明けの挨拶状)の文例
 
葬儀当日に簡単な返礼の品をお渡しした上で、忌明けに送る香典返しに相当する金額の一部を寄付することで、香典返しを省略することもあります。

普通は縦書きです。ページを作成する都合上、横書きにしています。
拝啓
先日の亡父 穴田太一儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご会葬を賜り且つご鄭重なるご厚志を賜り大変有難く存じております 
お陰をもちまして3月21日に四十九日の法要を滞りなく相済ませました
故人が生前に賜りましたご厚情に感謝申し上げますと共に 今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上お礼を申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます
なおまことに恐れ入りますが忌明けに際しまして 故人の意志により「徳川市ふれあいファンド」あてに福祉の分野に役立てていただくという条件をつけて御厚志の一部を寄贈し供養に代えさせて頂きましたので何卒ご諒承の程お願い申し上げます。
敬具
 令和◯◯年◯◯月◯◯日
 郵便番号 住所◯◯◯◯◯◯◯◯◯ 
喪主 穴田総一郎 
親族一同  
※鄭重(ていちょう=丁重)
※厚志(こうし)…深い思いやりのこもった親切。ここでは香典のことをさします
※諒承(りょうしょう=了承)
………以下は別ページ………
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